ドライブレコーダーの駐車監視機能は本当に「長時間監視」に適している?バッテリーに悪影響はない?
会社や店舗、自宅の駐車場での「当て逃げ」や「10円傷などの悪質ないたずら」は残念ながら少なからず発生し得るトラブルです。
こうしたトラブルに対策するには、駐車場での長時間監視が必要となります。そして長時間監視を目的に、ドライブレコーダーの駐車監視機能を利用するケースも増えています。
しかしドライブレコーダーの駐車監視機能は本当に「長時間監視」に適しているのでしょうか?
今回は駐車場でのトラブルへの対策としての「駐車監視機能」について、ネットワークカメラサービス「キヅクモ」が解説します。
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ドライブレコーダーの「駐車監視機能」とは
ドライブレコーダーは従来は「走行中」の映像の録画・監視に用いられます。しかし、近年はエンジンを切った状態でも録画できる「駐車監視機能」を備えたドライブレコーダーが登場しています(※なおバッテリー供給は別途必要となります)。
たとえば自宅や会社、出かけた先のお店の駐車場での「当て逃げ」「車上荒らし」といったトラブルの監視に「駐車監視機能」が用いられます。
【主な用途】自宅や会社の駐車場での利用
ドライブレコーダーの駐車監視機能が役立つ場面には、まず自宅や会社、店舗の駐車場での車上荒らしや当て逃げなどの監視が挙げられます。
車上荒らしや当て逃げの被害が発生した際に、駐車監視機能があるドライブレコーダーの映像が警察に提供する証拠映像となる場合があります。
【主な用途】旅行先などでの利用
高速道路のサービスエリアの駐車場でのトラブルや、旅行先の駐車場での当て逃げなどの監視にもドライブレコーダーの駐車監視機能は用いられることが多いです。
ドライブレコーダーによる駐車監視は「常時録画」も可能なため、旅先でのトラブルを不安視している場合は旅行中はドライブレコーダーを24時間つけっぱなしにするのも良いでしょう(※別途バッテリーの供給は必要となります)。
自動車のバッテリーで何時間、ドライブレコーダーによる駐車監視ができる?
ドライブレコーダーの駐車監視機能を利用する場合、エンジンが停止していることからドライブレコーダーへのバッテリー供給元が必要となります。
ドライブレコーダーのバッテリーは主に3通りです。
・内蔵バッテリー型
・外部バッテリー型
・車両バッテリー型
多くの方にとってイメージが付きやすいのは車両のバッテリーを利用するものでしょう。車両のバッテリーを利用した場合、ドライブレコーダーではそもそもどれくらいの時間に渡って監視ができるのでしょうか?
そもそも録画方式にはどんな種類がある?
ドライブレコーダーを用いた駐車監視を行いたい場合、前知識として「録画方式の種類」を把握しておきましょう。
一般的にドライブレコーダーには
・動体検知
・衝撃検知
・常時録画
の3タイプがあります。
フロントカメラやリアカメラの映像の動きから動体検知し、動きがあった場合のみ記録を行うのが動体検知及び衝撃検知です。
一方で常時映像を記録し続けるのが「常時録画」です。常時録画はバッテリーに与える負担も大きいため、基本的には動体検知・衝撃検知がメインで利用されることが多いです。
ドライブレコーダーでの監視において問題となるのは「録り逃しのリスクがある」ことです。動体検知がうまく動作しないケースが「ゼロとは言えない」ことに加え、ドライブレコーダーは画角が狭すぎるケースも多いためです。
ドライブレコーダーは撮影範囲が「前方のみ」もしくは「前後のみ」といったケースが決して少なくありません。たとえば撮影範囲が前方のみの場合、後方からの当て逃げに対しては監視機能が十分ではありません。
つまり撮影する場所が「自宅や会社の駐車場」などと決まっているならば、防犯カメラを設置する方が良い場合があります。
バッテリーの種類には何がある?
バッテリーは「内蔵バッテリー」「外部バッテリー」「車両バッテリー」の3通りが主流です。
このうち内蔵バッテリーは寿命が一般的に2年~4年と言われており、なおかつ録画可能な時間が短いです。長時間監視を行うならば、バッテリーとして適しているとは必ずしも言えません。
外部バッテリーの録画時間は、バッテリー選びに依存します。大容量バッテリーを選ぶと、12時間程度の長時間監視に対応できる場合も多いです。
そして通常の走行中にオルタネーター(車に搭載されている発電機)が充電したバッテリーを利用し、監視を行うのが「車両バッテリー」です。
車両バッテリーの録画時間はどれくらい?車のバッテリーに悪影響?
車両バッテリーとドライブレコーダーを利用した駐車場監視で何時間録画できるかは、結論から言えば「何とも言えません」。何故ならば、ドライブレコーダーでの駐車監視をするまでに行った通常の走行と充電量、そしてバッテリーの状態に「録画時間」が依存するためです。
ドライブレコーダーの消費電力は2W~10W程度であり、カーナビやオーディオに比べれば消費電力は小さいです。そのため車両バッテリーが大容量で、なおかつ走行時間が長い車両であれば長時間監視が基本的には可能です。
ただしオルタネーターによる給電が無い状態で、ドライブレコーダーが急速にバッテリーに負荷を与えることとなります。バッテリー消耗やバッテリー上がりの原因となり、場合によってはエンジン始動ができなくなる場合があります。
ドライブレコーダーによってはバッテリー上がりの対策として、バッテリー残量が減ったら電源を切る機能を搭載している場合もあります。しかし、電源を落としてしまっては監視の意味はありません。
よって車両バッテリーを利用した駐車監視は「確実性の高い監視」には向いておらず、エンジン始動ができなくなる可能性もあるためかなりのリスクがある点にご注意ください。
駐車場の監視・防犯をするには?
駐車場でのトラブルは、残念ながら全国で極めて多発しています。
2021年に発生した車上荒らし(車両の部品盗難や社内の貴重品の盗難)の認知件数は3万6,329件です。また公益財団法人交通事故総合分析センターによると、2019年に発生した駐車場での事故件数は1万8,048件。交通事故全体に対して約5%です。
つまり個人がドライブレコーダーを活用した監視を行うだけでなく「会社」「店舗」側も駐車場の防犯に積極的に取り組む必要があるでしょう。では駐車場の監視・防犯をするには、具体的にどのような対策が考えられるでしょうか。
【旅行先の場合】ドライブレコーダーによる監視・防犯
まず個人が旅行先などで駐車する場合、現実的には今回ご紹介したように「ドライブレコーダーの駐車監視機能を用いた監視・防犯」をするのが良いでしょう。一方でドライブレコーダーによる駐車監視はバッテリー上がりのリスクがあることや、画角が狭い場合が多い点に注意が必要です。
車上荒らしなどへの対策としては、旅先で駐車する場合は「人通りが多く、目立ちやすい駐車場に停める」ことも意識すると良いでしょう。
【店舗や会社の駐車場の場合】ネットワークカメラによる監視・防犯
個人のドライバーの方は、駐車場に停車中は「ドライブレコーダーの駐車監視機能を使っている」か「そもそも監視をしていない」場合が多いです。車両バッテリーを使うとバッテリー上がりのリスクがあり、外部バッテリーを用意するのは費用的な負担があるためです。つまり個人のドライブレコーダーだけでは、車上荒らしなどが発生した場合に証拠映像が確保できるかやや不透明です。
よって店舗や会社の駐車場には「防犯カメラ」が求められます。そして設置する防犯カメラには高画質、夜間撮影機能、耐候性が求められます。駐車場は夜間に停車する機会が多いうえ、雨風や雪にさらされる環境でもあることが多いためです。
店舗や会社の駐車場に設置する防犯カメラの選び方は、こちらの記事でも詳しく解説しています。
なお「駐車場のどの位置に何台、防犯カメラを設置すべきなのかが分からない」「どの機種の防犯カメラを選べばいいか分からない」といった場合は、弊社ネットワークカメラサービス「キヅクモ」にご相談ください。専門スタッフが無償で防犯カメラ選びの相談や見積もりに対応させていただきます。
まとめ
今回は車上荒らしや当て逃げといった駐車場トラブルに対する防犯・監視に「ドライブレコーダーの駐車監視機能は有効か」を解説しました。
ドライブレコーダーの駐車監視機能は有用な機能ではありますが
・バッテリー上がりのリスク
・画角の狭さ
など、様々な問題点も抱えています。
年間で3万6,000件以上発生している車上荒らし(※2021年時点)や、1万8,000件以上発生している駐車場での事故(※2019年時点)への対策として「万全か」と言えば物足りなさもあります。
つまり車上荒らしや駐車場での事故への対策として、店舗や会社の駐車場への防犯カメラ導入が一層進むことも期待されます。
なお、キヅクモブログでは、ネットワークカメラサービスの導入にお困りの方に向けて「サービス説明資料」を無料で配布しています。
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