高齢者の安全を見守るロボットとは?種類・選び方【防犯設備士監修】
ご高齢の家族がいらっしゃる一般家庭や介護施設で、その高齢者の方の安全を見守る手段として「ロボット」に注目が集まりつつあります。
とはいえ「高齢の方を見守るロボット」というと、会話ができるようなヒト型のロボットをイメージする方が多いのでは?
実際に注目されつつあるロボットは、もう少し形が違うものです。そこで今回は弊社ネットワークカメラサービス「キヅクモ」が防犯設備士監修の下、高齢者の安全を見守るロボットについて解説します。
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高齢者の安全を見守るロボットとは?
高齢者の見守りにおけるロボットとは、一言で言えば、ロボットに搭載されたカメラやセンサー(※ベッドマットの下などに設置する場合もあり)を通じて高齢者の方の生活状況を確認するものです。
たとえばセンサーが異常を検知した場合、ご家族の方に異常発生を知らせる通知が届いたり、ロボットに内蔵されたスピーカーから「スタッフ(※もしくは「ご家族」)を呼んだから安心してね」といった音声が流れたりします。
つまり便宜上、ロボットという呼称を使ってはいますが、その見た目は「センサー」や「カメラ」に近しいものも多いです。
高齢者の見守りと「コミュニケーションロボット」の関係
高齢者の方の見守りにロボットを利用する場合、その中心的な機能は「異常検知」と「スタッフやご家族への通知」です。会話機能を備えたロボットも多いですが、会話機能は必ずしも必要とまでは言えません。つまり、いわゆるヒト型やペット型のロボットとはあくまで別物です。
ただし会話機能を重視したり、見た目が可愛いことを重視する場合はヒト型のコミュニケーションロボットが介護施設に導入される場合もあります。ただしまだまだ導入事例は多くはないのも事実です。
「ICTを使った高齢者の見守り機器」として助成対象になるケースも
なおこうした見守りロボットは「ICTを使った高齢者の見守り機器」として、自治体の助成対象になるケースがあります。
たとえば東京都台東区では「高齢者テレビ電話等機能付通信ロボット(コミュニケーションロボット)購入費用の一部助成」が実施されており、導入時には上限3万円の助成が行われます。
高齢者テレビ電話等機能付通信ロボット購入費用の一部助成(台東区)
特に一般家庭で、見守りロボットの導入を検討している方の場合、お住いの自治体が助成を実施しているかチェックしてみる価値があるでしょう。
高齢者の安全を見守る「見守りロボット」は従来の見守り支援機器と何が違う?
昨今の見守りロボットの最大の特徴は「センサー」の高度化やネットワークカメラとの連携強化にあります。
従来の見守り支援機器でもセンサーは扱われていますが、基本的にはベッドにセンサーを設置するのが主流でした。
ベッドに設置したセンサーを利用した見守り支援機器で、従来よく起こるトラブルは「寝返りを異常として検知する」というものです。つまり誤検知と本当の緊急事態の見分けが付きづらく、介護スタッフやご家族、要介護者の方がいずれもストレスをためやすい傾向にありました。
その点、近年の見守りロボットはセンサー技術が高度化したうえにネットワークカメラとの連携が強化されています。
たとえば要介護者の方の異常を検知した場合に「それが寝返りなのか」「緊急事態なのか」を映像でも確認可能。実際には誤検知にも関わらず、深夜に要介護者のもとを訪問しなくてはいけなくなるといった事態を防げるようになりました。
見守りロボットの種類
見守りロボットは主に利用するセンサーによって、種類が分けられます。まず多くの方にとってイメージしやすいであろう、代表的なセンサーは「バイタルセンサー」「人感センサー」の2つです。
・人感センサー:温度や熱に反応するもの。要介護者の方の体温から動きを感知可能
・バイタルセンサー:要介護者の方の心拍や呼吸を感知できない場合に通知されるセンサー
なおバイタルセンサーは多くの場合、ベッドマットに設置されることが多く、対象者の方の起床や離床を検知する目的でも使われています。
このほかには「シルエットセンサー」も主流なセンサーの1つです。シルエットセンサーには非常に多くの種類がありますが、大まかには「ベッドからはみ出す」「柵にもたれかかる」などの危険な動作の検知に利用されます。
なおシルエットセンサーは、近年では危険予兆動作を検知したら即時に介護スタッフや家族に通知する機能を持つものも登場しています。つまり「転倒した後にスタッフが駆け付ける」のではなく「転倒しそうな際にスタッフがかけつける」ことが可能に。転倒・転落などの事故を未然に防げる可能性が高まっています。
こうした高度なセンサーに「ネットワークカメラ」を組み合わせ、センサーとカメラの両面で手厚い見守りを行うケースが増加しています。
見守りロボットの選び方
まず、見守りロボットを設置する場所と見守り範囲を明確にしましょう。一例として介護施設であれば要介護者の方の寝室をはじめ、見守る必要がある場所をすべて把握し、設置場所を検討しましょう。
そのうえで、設置場所の環境も検討しましょう。たとえば
・Wi-Fi環境が整っているか
・コンセントの数が十分にあるか
などを確認する必要があります。
設置場所の環境を確認し、設置する見守りロボットの数も決まったら、
・最低限必要な機能とあるとベターな機能
・設置及び運用コスト
・導入後のサポートの手厚さ
から選ぶべき機器を決めるとよいでしょう。
たとえば介護施設の場合、全ての部屋や共用スペースに見守りロボットを導入すると費用や運用コストが高騰しやすいです。
・高度なセンサーを用いた見守りロボットとネットワークカメラを両方設置すべき場所
・ネットワークカメラのみの設置で十分な場所
などを見定め、設置の見積もりを進めるとよいでしょう。
見守りロボット導入がおすすめの場合
見守りロボットの導入がおすすめの場合は、主に以下の2通りです。
高齢者の方の見守り
まずは高齢者の方の見守りです。たとえば要介護者の方の寝室及びベッドに見守りロボットを導入し、異変を検知したら自身を含む家族が駆け付けたり、介護スタッフの方に連絡したり、救急車を呼ぶための判断材料にするといったことに役立ちます。
介護施設での見守り
介護施設での見守りには、見守りロボットは特に役立ちます。見守りが必要な場所に見守りロボットとネットワークカメラを導入することで、異変を検知した場合に、それが誤検知なのかを映像でも確認できます。
つまり
・本当の緊急事態が起きた場合の対応に施設の介護スタッフが専念しやすい
・少ない人数でも効率的に多くの高齢者の方を見守ることができる
といったメリットがあります。
見守りロボット以外の「見守り」の選択肢は?
「見守り」を目的に見守りロボットを導入する場合、課題となりやすいのはコストです。
バイタルセンサーやシルエットセンサーを搭載した見守りロボットを、たとえば介護施設に複数台設置するのは非常に費用負担も大きいです。見守りロボットとネットワークカメラをセットで導入するケースが多く、それぞれの導入費用がかかるためです。
また要介護者の方の人数が少なく、なおかつその方が定期的に診察も受けている場合、高度なセンサー機能が必ずしも必要でない場合もあります。
そのため見守りロボット以外の「見守り」の選択肢としては「見守りカメラの設置」が挙げられます。
その高齢者の方の体調変化などを「センサー」ではなく「映像」で確認できれば十分な場合は、見守りカメラの導入が適しているでしょう。高齢者の方の見守りに、見守りカメラが役立つ理由はこちらの記事でも詳しく解説しています。
高齢者の介護に「見守りカメラ」が役立つ理由(キヅクモブログ)
まとめ
高齢者の安全を見守るロボットは、高度なセンサーを活用して遠隔から生活状況を確認し、安否確認や緊急時の対応を可能にする機器です。
従来の見守り支援機器と比べ、近年はネットワークカメラを併用するケースが増えており「寝返り」を体調急変と誤検知するといったケースも増えており、介護施設や高齢の方がいる一般家庭で広がりを見せています。
一方で、見守りロボットそのものとネットワークカメラの両方の導入が必要になる場合も多く、導入費用は高額になりがちです。
つまり導入に当たっては、設置場所や設置環境、導入台数などを慎重に検討し、専門業者に相談の上で機器選定を進めることをおすすめします。
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